Wednesday, June 19, 2013

Obama's Gaffe?

Bernanke has 'stayed a lot longer' than he wanted at Fed.

一国の大統領が、その政府の人事について言及するのはよくあることだ。

しかし、昨日のニュースにかなりの違和感を覚えたのは私だけだろうか。

出だしの台詞がそれである。国家元首、しかも世界最大の影響力を持つ国の大統領の発言にはおのずと重要な理由が付きまとう(はずだ)。テレビのインタビュー番組とは言え、当然ある程度想定されたシナリオが用意されているはずである。この発言は、一体どうだったのだろう。

コンテクストなしにこの台詞を耳にすると、あたかも現職に対して批判的であるとしか思えない印象を受ける。不本意ながら(渋々)在任を認めてきた、といったニュアンスだ。

確かに、バーナンキ議長自ら、周到に続投を否定するようなコメントや動きが今までにいくつかなされていた。

「(超金融緩和からの)出口策の指揮をとれるのは私だけではない("I don't think that I'm the only person in the world who can manage the exit,")」 と発言し、世界の中銀関係者が高原の避暑地(Jackson Hole)に一同に集う最重要の会合への不参加を不自然なほど早々と公表しており、メディアは後継者もほぼ絞られつつある状況下では、冒頭のオバマ発言は”巷をひっくり返す”ニュースではなかったかもしれない。

それでも、私からすれば、世界中の注目を集め、株式はじめ主要なマーケットひいては世界経済をも大きく左右する莫大な影響力を持つ機関の長に対するコメントとしては、あまりに軽率な印象を受けた。世界を崩壊の淵から救い出した(helped pull the world's economies back from the brink of collapse)と、両党派の有力議員が功績を認め、一定の称賛を示す現議長に対する発言であるだけになおさらである。

もちろん、世界的に金融危機からの回復は当初予想を大幅に裏切る結果となり、すでに5年の歳月が流れた現在でさえ、傷跡はいたるところに散見される。金融政策の限界が語られる中、オバマ政権も、厳しい財政状況下で長引く雇用情勢の低迷をはじめとする景気回復の遅れへの対応が最大の政治課題として突きつけられているのが現状だ。

万能の金融政策に失望したオバマ発言に冷や汗をかいたWhite House 高官は、Obama's remarks were reflecting his admiration for the length and depth of Bernanke's commitment to serve as Fed chair in a difficult period and at a significant personal sacrifice. と、フォローコメントを出している。